2022.3月号

 

 「ウイズマスク」

 

 北京オリンピックも始まり、日本人選手の活躍に一喜一憂の日々ですが、コロナ禍で開催の為、競技中には外しているものの、選手達は一様にマスクを着用しており、注目したい選手の顔が覚えられなく、特に展開の早い競技は誰が誰だかわからないということが多々あります。

 とはいえ「目は口ほどにモノを言う」という言葉のとおり、選手達も目つきが悪かったり、眠そうな目をしていたりと、目で大きく印象が変わる為、「目力」が重要な時代となったと改めて感じています。今や一日の大半を顔の下半分をマスクで隠して過ごしているため「息苦しい」「メガネが曇る」等々早くマスク無しで生活したいものだと私は思いますが、最近の若者は素顔を見られることに抵抗感を感じる人が増えているとのこと。

 特にこの傾向は女性に多いようで「マスク姿だと2割増し美人に見られる」「外した時にイメージとのギャップを感じられる」等々、今の時代マスクとはコロナの感染予防だけでなく、洋服の一部、顔の下着として市民権を得ています。

 民間の調査会社によると「コロナ禍が落ち着いてもマスクを着用する」と答えた人は全体の7割をしめており、コロナ禍が終わってもコンプレックスをカバーする「自主的マスク生活」が定着すると分析されています。しかし、顔の表情が半分隠れてしまうと、視覚の情報量が半減し、声も聞き取りにくくなるため、微妙なニュアンスを伝えづらくなるという弊害もあり、コミュニケーションを図る上で、大きな障害になることは間違いなく、特に耳が悪くなった高齢者には周りの声が聞きにくくなり、結果として会話量が減ることで、認知症のリスクを高めてしまう恐れもあるとのことです。

 今は若い人の間ではカラーコンタクトレンズが流行っており、黒目を10%程大きくすることで、白目と黒目の黄金比率に近づけることが出来るそうですが、理想的な瞳を手に入れたとしても、それだけで良好なコミュニケーションをとることは出来ず「すいません」「大丈夫です」といった言葉も、表情によって受ける印象は大きく違ってくるはずで、顔の筋肉全体を使った豊かな表情と共に挨拶や会話することが大事だと思います。

 とはいえ第6波に突入した今、マスクをとるわけにもいかず「ウイズコロナ」から「ウイズマスク」の時代は激しいリアクションをとりながらの会話必要かもしれませんね。

                                             魚谷 直世 記

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