2022.10月号

 

 「値上げの秋」

 

 ニュースで「値上げ」の言葉を聞かない日は無くなったほど、燃料油を始め、色々なモノの値上げが続いています。原油の高騰によって、物流コストや包装資材が上がり、世界の穀物地帯と言われるウクライナが戦場となったため、食用油や小麦と言った食料原料も高騰、そしてとどめの「円安」。91日にはついに1ドルあたり140円まで下落し、約24年ぶりとなる円安水準となりました。輸出企業にとっては追い風になるこの円安も、食糧やエネルギー等、我々の生活に直結するモノを輸入に頼る日本にとってこの円安の影響は生活に大きな影響を与えます。

 実際に上場する飲食料品メーカー105社への調査では8月末までに累計で256品目の値上げがされており、更に9月には2424品目の値上げが予定、10月には6500品目の値上げが見込まれており、史上空前の値上げラッシュとなります。

 11品の値上げ幅は数十円とそんなに大きくないものの、少しの値上げが増えていけばボディブローのように家計に響いていくのは間違いなく、世帯年収によっては消費税を3%上げるよりも、影響が大きいとのことです。

 様々な問題があるため、円安をクリアすれば、全ては解決とはいきませんが、7月の参院選挙が終わり、当面重要な国政選挙の予定がない「黄金の3年」に入ったとされる政権与党、状況を静観しているというよりも、放置しているように見えます。

 先日ご逝去されたイギリス女王エリザベス2世の言葉で「この世界は決して住みやすい場所ではありません。ご両親はいつかあなたのもとを去り、あなたを無条件に守ろうとしてくれる人は誰もいなくなるでしょう。だからこそ、あなたは自分の信念や自分自身のために闘えるようにならなくてはいけないのです。そして時には、下品な言葉でごめんなさいね、ガツンとやってやらなくてはいけません」油は高いし、食料品はドンドン値上がり、サンマはとれない、この状況はたしかに悲惨なのかもしれませんが、国のせい、人のせいにしても解決することはなく、同じく先日ご逝去されたミハエル・ゴルバチョフ氏の言葉では「不幸や敗北に屈しない勇気と頑強さ。そして困難のときこそ自身を試すという決意なくして本当の人生を生き抜くことは難しい」困難な時こそ、前を向いて行動していこうと偉人達は言っています。

                                             魚谷 直世 記

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