2021.3月号

 「マー君が帰って来る」

 

 我々道民にとっても思い入れのある田中将大選手が8年ぶりとなる日本のプロ野球に復帰することになりました。駒大苫小牧時代に早稲田実業のハンカチ王子こと斉藤祐樹選手との死闘が印象的で試合中は街の人通りがなくなったほど道民は熱狂していました。

 楽天イーグルスはこれで12球団一といわれる先発陣に加えてメジャーリーグの中でもトップクラスのヤンキースで6年連続の2ケタ勝利を挙げた田中選手が入ることで盤石の体制となります。2年契約で推定年棒は9億円と日本人としては歴代最高額ですが、昨年までのヤンキースの年棒25億円に比べると大幅なダウン、ヤンキースとは再契約の可能性もありましたが、コロナ禍で財政が厳しく、放出せざるをえなかったようで、他のメジャーでプレーすることもできたのでしょうが、コロナウイルスによる死者が43万人という感染超大国で家族と暮らす不安もあったのかもしれません。

 しかし、これでパ・リーグは楽天、ソフトバンク、日ハムと益々面白くなってきました。セ・リーグの話題といえば巨人ばかりですが、2年連続でソフトバンクから日本シリーズでの4連勝で決められており、パ・リーグ1軍、セ・リーグ2軍と言われる中で差は開く一方となります。

 楽天と巨人は2013年にも日本シリーズで対決しており、田中選手はその年負けなしの24連勝、試合は最終の7戦目までもつれ、最終戦9回に登板したのが前日160球を投げた田中選手で見事投げ切り、楽天初の日本一に貢献しました。楽天監督であった「ボヤき」の野村監督からも「マー君、神の子、不思議な子」と呼ばれるほど神懸った活躍をしていましたが、順風満帆だったわけではなく、ケガに泣かされる年もあり、2010年にはシーズンの半分を欠場するものの、その年のインタビューで「人生に無駄なことなんてない。この時間を、生かすも殺すも、自分次第」という言葉を残しています。

 田中選手にとってケガで動けない時期もまた自分をこれから生かす大事な時間としてとらえた為、今日の活躍があるということ。我々も今、コロナ禍で様々なイベントが中止になり、旅行や買い物も制限されていますが、この時間を無駄な時間として殺すのも自分、チャンスとして生かすのも自分であり、この時間をどう過ごすかが近い将来の自分に関わってくるのでしょう。

                                             魚谷 直世 記

 

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