2021.12月号
「半導体がない」
最近我々の生活にも影響を及ぼしてきました「半導体不足」よく聞くのが、新車を購入して納車になるのが半年、一年待ちという話ですが、世界的に人気のランドクルーザーにいたっては納車まで3年待ちとの話もあり、このような状況から中古車市場も値上がりしており、人気車種は新車価格よりも中古車価格の方が高いという逆転現象までおきています。
いまや人類は石油と半導体なしに文明を維持するのは不可能で、半導体がない世界は50年以上前にタイムスリップするようなものです。「産業のコメ」と言われる半導体、生産拠点の多くはシンガポール等の東南アジアにありコロナによるパンデミック&ロックダウンで生産能力が低下し、自動車メーカーが工場を停止している間、巣ごもり需要でパソコンやスマホの需要が急拡大したため、そちらに半導体の生産をシフトしており、ここにきて車の需要が回復したから「すぐに持ってこい」と自動車メーカーが注文しても応じられない状況となっています。
実はこの半導体、かつて1990年頃までは日本のお家芸と言われており、世界シェア50%を生産していましたが、現在のシェアは6%前後と大幅に低下しております。コンピューターの小型化を予見できず、設備投資や研究開発を怠りシェアを縮小させたと言われていますが、世界一の自動車大国が思い通りに自動車を作れないという異常事態に、コロナ禍の影響は大きいのでしょうが、半導体の将来性を軽視してきた日本の産業構造にも大きな要因があるのではないかと思います。
現在の需要ならば2022年後半あたりには半導体不足は解消し、2023年頃には過剰になると予想されていますが、自動車のEV化が更に進むようならば、通常のガソリン車よりもEV車は半導体を多く使うため、2023年でも半導体不足は続くという予想もあります。
我々の当面の問題としては、弊社の暖房用品仕入先から暖房用ボイラーと給湯用ボイラーの入荷は未定という話がきており、もしも今シーズン、お客様のお宅で給湯・暖房のボイラーが壊れ、修理が不能だった場合、代わりのボイラーをどうやって手に入れようか、小さなことながら悩みは絶えないものです。海外から安い製品が出回り、古くなったら買替るという時代から、再びモノを大事にするという時代になるのかもしれません。
魚谷 直世 記
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