2014.4月号

「オーウェン!」

 

 先月のチライアパッポにも掲載いたしましたが、岡本・竹内の両店主任が九州へ研修に行き「野口石油」というSSを見学してきました。FK-2洗車の取組で業界では非常に有名な会社で、我々の洗車にもその技術は多く参考にさせていただいております。又、非行歴のある少年を100人以上もスタッフとして雇用し更生を支援してきた方でも有名で、その功績から先日「現代のロバート・オーウェン賞」を受賞したとのことです。

 ロバート・オーウェンという人物はあまり聞きなれないかと思いますが、産業革命期の英国で紡績工場の経営者だったオーウェン氏は過酷な工場労働に従事している子供達を見て「子供には勉強させ、遊ばせるべき」と考え工場に世界初といわれる保育所を創りました。「他人の幸せを考える愛がなければ、人間社会に真実の徳はない」オーウェン氏のような博愛主義的な経営者を探したいとのことから「現代のロバート・オーウェン賞」は第一回目の表彰に野口石油社長の野口義弘氏を選んだとのことです。野口氏は「信じることは任せること」との信念から、経理事務は置かず、在庫や売上金管理も社員に任せ、監視カメラの設置などないため、お金の持ち逃げが発生したことがありましたが「信じることを恐れると子供の成長は止まる。事件が発生した時こそが社員教育の出発点であり、成長の始まりだ」厳しい価格競争から人件費コストを考えてしまい四苦八苦している私からすると、非行少年を教育しながら好調な経営を維持するというのは、神業とも思えます。今回の研修では残念ながら予定が合わずに野口氏には会うことは出来ませんでしたが、野口氏の息子さんと色々なお話をしてきたそうで、両店の若い主任がこの会社の空気を実際に肌で感じるだけで、大きな収穫があったのではないかと思います。これから会社を運営するにあたり、一番大事にしなければいけないものというのは、人と人との繋がりが薄くなってきている現代だからこそ、他人を思いやる気持を持ち続けることかと思いました。これからもナオエ石油「オーウェン」宜しくお願いいたします。

                                             魚谷 直世 記