2014.2月号

「高齢化社会?」

 

 「地域経済の疲弊や少子高齢化問題等など我々の住む街は多くの問題を抱えています。」テレビや雑誌で専門家や政治家が定番のようによく話すことで、まるで日本全体の地域問題のように扱われております。確かに少子化は就労人口の減少等で深刻な問題であり早急に対処しなければいけない問題ではありますが、この高齢化の問題ははたして「問題」=「悪いこと」なのでしょうか?この高齢化が問題と言われる原因に「年金・医療・福祉」等の問題があり、財政上の理由で対処はもちろん必要となりますが、医療技術の進歩や社会生活レベルの向上によって長寿で元気な高齢者が増えているのは、すばらしいことであり、世界有数の長寿国という事実は日本がもっと世界に向けてアピールすべきことだと思います。

 今度の東京都知事選で出馬の意向を示している細川元首相は後期高齢者と言われている76歳。他都市の首長選挙にあまり興味はありませんが、オリンピックも控え激務が予想される東京都知事選に原発のない東京で主な政策に「反原発」と決意表明を行ったのは、さすがの鈍感力なのか、深い意図があるのか、大丈夫かなと心配になりましたが、70台後半とは思えないシャンとした印象を受けました。少子化による若い人の労働人口減少は、このようなシャンとした高齢者によって補完するか海外からの移民受入を行わなければいけない状況でなってきております。我が街、根室においても最近の水産会社は非常に国際色が豊かになってきていますし、建設作業現場等で人手不足の声は大きくなっており人材確保が難しくなっていると聞きます。日本全体の景気が良くなりつつあると言われる中で、不景気しか知らない若い世代は守りの経営に走りがちですが、高齢者と言われる65歳以上の先輩達は高度経済成長期を経験し、今の日本を創り上げてきました。その経験を生かし、ぜひこれからの世代にアドバイスをお願いしたいです。

                                             魚谷 直世 記