2019.11月号

 「第二次幕末期」

 

 最近のマイブームですが、幕末期の小説にハマっております。最近は本当に便利な時代になったと実感するのが、スマホでいつでも小説や漫画を見ることができるため、ちょっとした空き時間、トイレの時間等々でもつい見いってしまいます。

 この幕末という時代は動乱期であり、吉田松陰や坂本龍馬等の有名どころから、無名な方まで様々な人々が活躍しており、一人一人の行動により一つの歴史が作られていく、日本にとって大きなターニングポイントとなります。日本は江戸時代までは強烈な階級社会でしたが、そのため身分の低い人は、より上位の身分になろうと剣術を磨き、武功をたてようと必死に働いていた時代でもあります。しかし、江戸時代も終わり剣術や武功では評価されない時代となり、外国語もオランダ語から英語の時代に変わり、武士という階級制度を維持しようとした人達は、新政府との戦争をおこし、多くの人が命を失いました。

 現代に住む我々からは想像も出来ない程大きな変化であり、武士以外の人も多くの人が苦しんだと思います。しかし、この幕末の動乱期は今の日本の現状と多くの共通点があります。日本の人口は鎌倉時代から平成まで150年もの間増え続けていました、特に我々が生きてきた昭和から平成の前半は人口の急増期で景気も良く市場も拡大しており、すでに売れているサービスを提供すれば売ることができる「前例踏襲」の時代となり、常に昨年の実績を見て仕事が出来た時代でした。しかし、これからの時代は少子高齢化が進み人口が減り続け、多くの仕事がAIやロボットに変わってきます。

 外国語も受験ではいまだに英語が重要視されてはいますが、翻訳ソフトの精度は予想よりも早く進化しており、言語の壁と言うのはあと数年内でなくなり、英語よりもプログラミング言語の時代になってきました。

 まさに今は時代の転換期で、2回目の幕末期になっているのかもしれません。幕末期の混乱も時代の変化に対応する人とそれを受け入れない人が激しくぶつかり合いましたが、これからの時代も、国内での内乱はないのでしょうが、様々な場所や会社で、時代の変化に対応できる人と対応しない人との衝突は必ず起きると思います。もはや「昨年はこうだった」「ずっとこの方法だった」という言葉は死語になっているのかもしれません。

                                             魚谷 直世 記

 

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