2019.10月号

 8%?10%?」

 

 いよいよ10月から消費税が10%となります。我々が販売するガソリンには本体価格にガソリン税53.8/Lと石油税2.8/Lが掛かっており、この税金にも更に消費税が掛かる2重課税となっていますが、今回の消費税改定時には話題にもならず、当然のようにこの2重課税は続くこととなりました…。

 更に言うならば、ガソリン税の約半分25.1/Lは1974年に道路財源として「暫定的」に税率を上乗せしたものですが、5年ごとにこれも当然のように延長されており、もはや暫定の意味を知らないのではないかと思ってしまいます。しかし、この暫定税率は2008年に一度だけ失効したことがあり、参議院で多数を握っていた時の民主党が暫定税率延長に反対したためで、衆議院への差し戻しの1ヶ月だけガソリンが25円安くなるという珍事がありました。

 お客様には喜んで頂けましたが、1ヶ月間だけ税率やシステムを変更するというのは当然のことながら運営している方はパニックとなり、目先の事だけを追い求め、本質を見失うと、物事はうまく進まないというのは民主党自体の消滅からも身をもって証明してくれました。又、今回の消費税引き上げでは、日本で初めての軽減税率が導入となり、主に生活必需品である「食品」と「新聞」が旧税率の8%となりますが、これが複雑でわかりにくく、例えば栄養ドリンクの「オロナミンC」は食料品で8%ですが、医薬部外品となる「リポビタンD」は10%!?ファーストフード店での食事は店で食べると10%ですが、持ち帰りだと8%!?と店頭で働くスタッフが混乱することは間違いないと思います。

 更に今回はキャッシュレス決済に対するポイント還元事業も行われますが、こちらも輪をかけて複雑になっており、店舗側もクレジット会社毎に登録が必要となりますが正確に状況を把握している店ははたしてどこまであるのか…。政府はこれを機にキャッシュレス化を進めたい考えのようですが、東京ですら経産省の調査ではクレジットカードが使える飲食店は30%程度と言われており、地方に行けばその比率は更に低くなります。

 これはお店側の責任だけでなく、世界有数に高い手数料と言われるクレジット会社の責任が大きいのではないかと思いますが、波乱含みの増税まであと少し、文句ばかりでますが、結局お上の言うことには逆らえない…

                                             魚谷 直世 記

 

今回の店主雑感のご意見、ご感想等お願いいたします。

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