2017.9月号

 

「変化と個性

 

 お祭も終わり、いよいよ根室で一番いい季節となる秋がやってきます。お祭には色々な形で毎年参加していますが、ここ数年感じるのが「気候が変化している」ということです。子供の頃に出ていたお祭の時とは違い「お祭り日和」とカラッと晴れることが少なくなりました。御旅所の場所や天狗のせいではなく、地球全体の気候がかわりつつあり、それを一番敏感に感じ取っているのが、根室経済の中心となっているお魚達なのかもしれません。

 我々の業界でも確実に変化は進んでおり、ヨーロッパ諸国では2040年頃よりガソリン・ディーゼル車の販売を法律で禁止する国がフランスを始めドイツ、オランダ、ノルウェー等々で出てきており、20年後のヨーロッパではガソリンスタンドが無くなっているかもしれません。しかし、ガソリンを始めとする石油製品は連産品であり、原油からはガソリンを始め、軽油や重油、プロパンガス、アスファルト、プラスチック、買い物用のポリ袋や発泡スチロール等々の原料が同時に出来てしまうため、ガソリンだけを使わなくするのは現在の技術では様々な弊害が出てきてしまいます。又、日本でのEV車(電気自動車)では日産「リーフ」が有名ですが、バッテリー性能の劣化スピードが速いと言われ、中古車相場でも大きく値崩れをおこしており、画期的なバッテリーの技術革新が起こらない限り、まだまだ日本でのEV車の普及は難しそうです。

 このEV車は高度な工作技術を必要とするエンジンを積まないため、走る家電製品とも言われ、他業種のメーカーが参入しやすくなるというメリットもあり、数十年後にはアップル社製の「iCar」やダイソン社製「サイクロンカー」等も自動運転の発達もあり夢ではなくなるのかもしれません。

 これからの時代、ますます過疎化が進み、少子高齢化の中で「車」が担う役割は更に重くなるため、EV車が増え、自動運転も当たり前になってきますが、乗り手の個性がなく、外側だけの個性になってしまうのは寂しい気持ちにもなりますね。

                            魚谷 直世 記

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