2017.5月号

 

「桃色吐息

 

 昨年の話ですが、鶴保北方担当相が根室中標津空港にLCCを誘致するという考えを出しました。あまり聞きなれない言葉ですが「ロー・コスト・キャリア」格安航空会社の略語で1998年の規制緩和以来、新千歳空港からも「ピーチ」「バニラエア」「ジェットスター」「春秋航空」と4社で成田空港、関西空港、中部空港に3路線がでています。

 一番安いプランで千歳-成田空港間の航空運賃は4千円台からと大手航空会社の半額以下となっており、ここまで安いと逆に不安を感じてしまいますが、世界的には現在の航空会社のシェアは30%をLCCが獲得しており、すでに一般的な存在となっており、金正男氏の事件でもLCCチェックイン機の前で起きた事件と話題になりました。

 日本版LCCの歴史は2011年にANAが出資した「ピーチ・アビエーション」から始まっており、当時はガラガラの赤字空港と言われた関西空港を拠点として始まり、関空から新千歳、福岡の2路線のみ、飛行機は3機体制で始まりましたが、現在は国内14路線、海外13路線の計27路線、飛行機は18機と関空を発着する定期便の便数は国内、海外共になんとANAやJALといったメジャーキャリアを抑え「ピーチ」が最多となっております。関空全体の利用者数も「ピーチ」開業前の2011年は1385万人でしたが2015年には2406万人と過去最高を記録し、成田空港の背中が見えてきた関西空港にとって「ピーチ」はまさに「桃色吐息」となっています。

 この「ピーチ」快進撃の秘訣は井上真一CEO曰く「何をやるかではなく、何をやらないかを明確に決めること。妥協して儲かるならいいが、妥協すると、とんがってきた角がとれてしまい普通に近づいてしまう。」とのことです。メジャーリーガーであるイチロー氏もあえて細めのバットを使い、ミートポイントを絞ることで的確な打撃を行っているといいますが、何かをやること、広げることは簡単ですが、それを収束させる、やめるという判断は難しいことかもしれません。私も気軽に始めた酒やタバコがやめられませんので…

                            魚谷 直世 記

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