2017.2月号

 

「海賊王になる

 

 先月の話になりますが映画「海賊とよばれた男」が全国で一斉公開されました、百田尚樹氏の同名小説を映画化した作品で、400万部を超える大ベストセラーになったため、ご存知の方も多いと思いますが「パイレーツ・オブ・カリビアン」のような本物の海賊映画ではなく我々と同じ業界、石油会社の物語となります。

 敗戦直後の日本において「日本人の誇り」を追求し「海賊」と呼ばれた主人公の国岡鐡造のモデルは出光興産創業者である出光佐三氏であり、内容としては戦後まだ自由に石油が輸入できなかった日本に対し自社タンカーを秘密裏にイランへ送り、無事輸入に成功することで当時世界2位の海軍力を誇った英国海軍に日本の中小企業が喧嘩を売った事件としても有名な「日章丸事件」がメインとなっております。

 序盤では現在でも出光興産5つの主義の一つとしている「大家族主義」についても描かれており、現代の日本人が忘れかけている商売の本質、人と人との繋がりについても深く考えさせられる内容で、悪役として登場する会社のマークを掲げる我々にも素直に面白いと思えます。しかし、公開のタイミングが悪く、現在の出光興産は外資系とも言える昭和シェル石油との統合を進めていますが、出光創業家一族の反対から実質的な統合は完全に頓挫しており、はたして「海賊」になるのか、シェルだけに「貝族」になるのかもわからない状況の中ですが、もし出光佐三氏が存命ならばどのような形になったのか興味があるところです。

 「日本人の誇り」として愛国心や郷土愛があり「大家族主義」として家族愛があり、会社に対する愛社精神があるように、どのような団体にも団結するには「愛」という言葉が必要となりますが、出光佐三氏は愛に溢れる人物だったのではないかと思います。表紙の書初めにも書きましたが、今年のテーマは「愛」としました。普段あまり口にすることがない「愛」という言葉ですが、郷土愛、家族愛、愛社精神、友愛と愛ある一年にしていきたいです。愛人はつくりませんが。

                            魚谷 直世 記

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