2017.11月号

「行くぜ、キット!

 

 ドイツのフランクフルトで行われたモーターショーでアウディより量産車では世界初となる自動運転レベル3の車「A8」が発表されました。早ければ日本でも来年には発売開始になりますが、この自動運転レベルとは国際的な自動車規格であるSAEが規格しており、レベル05までの6段階に分けられています。

 レベル0は運転支援の無い普通の車、レベル1は加速・操舵・制動のいずれかをシステムが支援し、レベル2では加速・操舵・制動を複数同時にシステムが支援します。日本車でもスバルのアイサイト搭載車を始め、数車種でレベル12相当は普及しつつあり、このアイサイトだけのデータでも、装備した車は非装備車よりも追突事故で84%の事故が減少したとのことです。

 今回、アウディが発売予定のレベル3になると、高速道路のみ等の限定的ではあるものの、人がアクセルやハンドル、ブレーキを触らなくても運転できる、自動運転が可能となり、レベル4では道路制限なしの自動運転、レベル5になると車に人間すら乗らなくてよくなります。

 昔のアメリカドラマで人工知能を積んだ車「キット」が主人公「マイケル」と共に巨悪に向かっていく「ナイトライダー」を思いだす人もいるかと思いますが、レベル5の車が発売された際には「行くぜ、キット!」「了解です、マイケル」これをやりたい世の中のおじさん達は多いはずです。

 あの当時は遠い未来の話だと思いましたが、レベル42020年、レベル52025年での実用化を日本政府は目指しており、今の車のようにマニュアル車が無くなり、ABSが当たり前についているように、人が運転しなくなる日は意外と近いのかもしれません。

 車が完全自動化となれば事故はなくなり、事故がなくなると車は安全装備の重量を軽減できるため車体が軽くなります。車体が軽くなると燃費が良くなるため、車の電気自動車化は更に進んでいきます。我々の商売から見ると「厳しいなぁ」とも思いますが、早くナイトライダーをやってみたい気もしますね。

                            魚谷 直世 記

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