2012.1月号

 カミサンに年間トータルで何をガミガミに言われてきただろうと浜中町の「ゆうゆ」のお風呂に浸かり、ちょっと小さな視点で一年間を振り返ってみた。ここの休憩室から見る眺望は道内ではTOPランクと常々思っている。「パスタを食べる時、すする音を立てないで」「なんでこんな場所でオナラをするの」。老いるにしたがって艶がないたわいの無い話しが増えてきた。こうまで世の習いを45年も連れ添ったお前に言われて、ハイそうですかの図式になるようでは男稼業を今までやってこなかった。世間一般の常識ラインすれすれで踏み止まり、なんとか、渡りを付けてきたのはオナラごときではないと事を荒立てたくなる、時には大尽のふりをして、わかったと言うときもある。トイレから出た孫に言うとは違う「男の幻滅ですヨ、手を洗った」言ってはならない言葉で切れてしまい、その日の互いは修行僧の顔付きかのような時間が流れた。ところで、我が根室の幻滅する所を一つのみあげてみたい。小さな集団の町ゆえの習いというべきか、簡単にいうと小親分が多くて、事前に俺に相談なかった、話がなかったになり、根回しに時間のかかる所とよく聞く話であるが、私もそう思うことがある。本当の中親分とは、結果を見て、良く頑張ったなと言うのが後世に名を残す方法なのだと認識すべきと思う。大親分とは金を出して若人を磨く。大親分は出所進退もきちんとしているから、引き際がきれいで、いつの間にやら、さわやかにボランティアの一員をやっている方が多い。葬式を立派にすることは良いことだが、生前にこそ、ほめる所をお祝いしてあげることが根室の原動力になるのだがと思い巡らしている師走に海洋少年団の日本のリーダーになり、なんと50年間に渡って育成責任を背負ってきた矢川氏が全国社会教育功労で大臣表彰。一方、長年にわたり緊張の続く北方四島周辺の国境の海を守っている根室海上保安部が北海道では初めての職域部門で第24回人事院総裁賞を受賞。二つのうれしい知らせが耳に入ってきた。年末の明るい話が来年度も続くことを願って止まない。新年もよろしくお願い致します。

(魚谷直孝記)