2016.6月号

 

「満タン給油運動」

 

  414日に発生しました「熊本地震」震度階級最大の震度7が発生し、現在も復興は進んでいるものの、まだ多くの方が不便な生活をされており、被災された皆様には心よりお悔みとお見舞いを申し上げます。

 東日本大震災が発生した際にも、ライフラインを担う我々ガソリンスタンドとしての役割は大きく「プライバシーの確保」「寒暖の調整がきく」「TVラジオ等で情報が収集」等の理由で学校等避難所よりも車に避難される方が多くいました。今回の震災でも余震が続くなか多くの方々が車中泊をしており、やはり今回も問題となったのが、ガソリンの供給不足です。

 現地の同業者に変わって言い訳をするわけではありませんが、ある一定規模以上の震災が起こった場合、施設の安全確保のため、専門業者による地下タンクや配管の検査が必要となります。更に地震での直接的被害、停電による計量機の動力喪失、道路網寸断によりガソリンの補充不足等々、インフラを担うガソリンスタンドも被災者となり、実際に熊本・大分両県で約200店舗以上のガソリンスタンドが一時休業となりました。

 このようなことがある度に「東日本大震災の教訓」という声が上がりますが、民間で運営している以上、震災時対応ステーションとしてハード面の対応は進んでいるものの、震災時の需要過多に合わせた設備投資は難しいというのが現状です。ソフト面の対応ではスタッフの震災時行動マニュアルが各社作られていますが、その中でも重点を置かれているのが、イライラしたお客様へのクレーム対応です。東日本大震災では実際にスタッフがお客様に暴行を受けるなど、事件になった例もあり、お客様も人間ならば、スタッフも人間、長引く避難生活でストレスもたまることでしょうが、給油スタッフへ暴力はやめてほしいと願っています。

 こうした我々側のソフト・ハードの対応はもちろん大切なのですが、お客様の出来る対応策としては満タン給油をお願いしたいです。普通車のガソリンタンクで約50L、根室市内だけで保有している車両は2万台を超えており、全部が満タンになると市内最大の貯蔵量となります。赤ランプが点いてから給油というパターンも多いかと思いますが、いつ来るかわからない災害、早めの満タン給油お勧めいたします。

                            魚谷 直世 記